皆さん、毎日心地よく眠れていますか?
まずはチェックしてみましょう!
安眠の4箇条
- 布団に入ってから15分以内に眠れる
- 夜中に目が覚めることなく朝まで眠れる
- 朝起きたとき、カラダがスッキリしている
- 日中、眠くならない
1つでも当てはまらないものがあれば…ちゃんと眠れていないかも!?
でも、安心してください!ファイテンの安眠アドバイザー大河内が、
今日からはじめられる「安眠のコツ」をお教えします。
睡眠のメカニズム
※厚生労働省e-ヘルスネットを基に当社作成
■レム睡眠・ノンレム睡眠って何?
睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。
「レム睡眠」とは急速眼球運動(=Rapid Eye Movement)の頭文字REMをとったもので、睡眠中、目を閉じている瞼の下で眼球が高速で動いている状態を伴います。レム睡眠中は、体は休んでいますが脳はまだ動いています。一般的に、夢を見るのもこのレム睡眠の間だと言われています。
「ノンレム睡眠」とは、眼球運動を伴わない眠りのことで、レム睡眠よりもさらに深い眠りを指します。ノンレム睡眠中は脳の動きも停止し、冬眠のように脳を完全に休ませています。
睡眠には、日中に見たものや聞いたもの、調べたものなど、脳に入ってきた情報を整理して定着させる働きがあります。人は脳を使ったり休ませたりするレム睡眠とノンレム睡眠を周期的に繰り返すことで、脳の回復やリフレッシュを行っていると言われています。
■睡眠の波、一番深い眠りは最初にやってくる!
人は睡眠中、レム睡眠とノンレム睡眠を波のように繰り返しています。
ノンレム睡眠には、ステージ1~4まで4つのステージがあり、睡眠中に出る脳波がα波、β波、θ波と変化します。
繰返される睡眠の波の中で、一番はじめの周期が最も深い眠りまで到達するタイミングであると言われています。はじめの睡眠でノンレム睡眠の深い眠りに達したあと一度レム睡眠に戻り、2回目のノンレム睡眠時には1回目より浅いステージまで、3回目はさらに浅いステージまでと、だんだんと眠りが浅くなり目覚めを迎えます。
より質の高い睡眠を得るためには、布団に入って15分以内でスムーズに眠りにつき、最初の睡眠でノンレム睡眠の最も深いステージ4まで、可能な限り深く眠りに入ることが大切だと言われています。
■睡眠と体温のカンケイ
人の体温にはリズムがあり、活動的な日中は上昇し、夜になると体を休めるために手足から熱を放射して体温を下げようとします。
これはスムーズな入眠への準備で、体温が下がると体は休息状態になって自然と眠気が訪れます。しかし日頃から手足が冷えていると、熱をうまく放射できずに体温の変化が起こらないため、なかなか寝付けないといった悩みにつながりやすいのです。
また、睡眠中にも体温は変化しています。深い眠りのノンレム睡眠時に体温は1度も下がります。そうすることで血流や内臓機能を最小限に抑えて安静を保ち、脳をはじめ体全体を休めるのです。そしてノンレム睡眠からレム睡眠への移行時には体温を蓄積して元の温度に戻します。寝室の室温が暑すぎたり寒すぎたりすると、このような体温調整がうまく働かないことがあるため、寝室を適温に保つことも睡眠の質を高める重要な要素です。
■睡眠中に疲労回復するために大切なこと!
体に溜まった疲労物質や老廃物は、スムーズな血行によって排出されます。日中、起きている間は、筋肉を動かすことで血管がポンピングされるため血行は比較的スムーズですが、体を休めている睡眠中はどうしても血行が悪くなってしまいます。いかに睡眠前と睡眠中の血行を改善できるかが、「睡眠中に疲労回復」できるかどうかの大きなポイントになります。
今すぐ試せる!入眠方法
■眠れないときは足裏をストレッチ
人の身体は体内の深部温度を下げることで眠くなると言われています。深部温度を下げるために手足などの末端から熱を放出しています。そのため、手足の血行が悪いと熱がうまく放出されず、スムーズな入眠ができなくなる可能性があります。したがって、眠れない時は足裏のストレッチをして血行を良くすることをオススメします。
足裏のストレッチ方法
- 足裏中央をアーチをつくるようにグッと押し、足の親指と小指は内側へ折りたたむように曲げる
- 足の親指と小指を外側に押し下げる。この動きを何度か繰り返しましょう
- ストレッチをするときには保湿成分に優れたローションを使うとGOOD!
- メタックスローション
- 伸びがいいのでストレッチする時にオススメ!お肌もツルツル潤いますよ。
■腕のストレッチで肩こり対策
肩こりが気になる状態で眠ると、なかなかリラックスできません。
そこでオススメしたいのが自分自身でできる簡単な腕のストレッチです。腕を動かす筋肉は肩の筋肉まで繋がっています。
誰かに肩を揉んでもらったり、叩いてもらうのではなく、1人でできる簡単なストレッチ方法をご紹介します。
腕のストレッチ方法
- 前腕筋を心地良いと感じる強さで押さえてほぐします。
- 上腕二頭筋を抑えながら数回腕を内側に向かって回し、そのまま真っすぐ腕を伸ばしましょう。
- 肩を上下させたあと、片方の手で押さえながら肩を回しましょう。
■入浴でカラダの深部を温めて
良質な眠りのために入浴はとても効果的。人は入眠準備として体温を下げることで休息状態に入っていきます。入浴して体の深部を温めておくことで、この体温調整が促され、スムーズに眠りに入ることができるのです。※厚生労働省e-ヘルスネットを基に当社作成
シャワーだけでは体の表面しか温めることができないため、お湯をはった浴槽に10~20分ほどゆったり浸かりましょう。温度は38~40度のぬるめがおすすめ。副交感神経が優位になって、体はリラックスモードに。逆に42度以上のお湯ででは交感神経が活発になって興奮状態になるため、就寝前の入浴には適していません。※日本浴用剤工業会ホームページを基に当社作成
これで解決!寝具の選び方
心地よい眠りのためには、自分にあった寝具選びが大切。一人ひとりの体型や体のコンディション、睡眠中のお悩みによっても最適な寝具は異なります。ここでは、睡眠中の身体を支える重要なアイテム「マットレス」や「枕」について、安眠アドバイザーおすすめの選び方をご紹介します!
■マットレス
「睡眠中の体に与える影響のほとんどがマットレス」と言われるほど、とても重要なアイテムです。
マットレスには、柔らかいタイプ、硬いタイプなど色々な種類がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
柔らかいマットレスは寝ころぶと心地いいのですが、腰が沈み負荷がかかりやすいため、特に腰痛のある方にはおすすめできません。
では硬いマットレスはどうでしょう。こちらは寝姿勢をキープできますが、体が当たる部分が問題です。
頭と肩とお尻と足、この4点だけに集中して必要以上の重さが掛かって圧迫され、血行不良が起きやすい状態になると言われています。
現在、多くの寝具メーカーが採用しているのが、「2重構造のマットレス」です。上の層は柔らかくして体圧分散させ、下の層は硬めにしてしっかりと体を受け止める。2層を重ねることによって、負荷の少ない理想的な寝心地を実現できるのです。
硬めのマットレスや布団の上に、柔らかめのオーバーレイタイプのマットレスを重ねる方法もおすすめですよ。
- 星のやすらぎ エアロクレイドル
- 体圧分散に優れ、スムーズな寝返りサポート。
下に敷くマットレスは、「硬め」がおすすめです!
※カバーデザインは現在リニューアルしています
■枕
“枕難民”という言葉があるほど、自分にぴったりの枕を選ぶことは難しいと言われています。寝具売り場で複数の枕の使い心地を試すとき、
皆さんに覚えておいていただきたいことが2つあります。
1つは、ご自宅のものと同じ硬さのマットレスまたは布団の上で試すこと。硬さが変われば枕の高さも変わってしまうので、せっかくオーダーした枕も家で使ってみたら全然合わなかった、という悲しい結果になることもあるため要注意です!
2つめは、枕をセットしたら普段通りに寝転んで、2~3回深呼吸をすること。どれだけ息を吸えたか、吐けたかをチェックし、別の枕をセットして同じことを繰り返す。自分にぴったりの枕の場合は、この深呼吸がとてもしやすいはず。逆に自分にとって高い枕、低い枕の場合は、呼吸が浅くなってしまいます。深呼吸がスムーズにできるということは、首がまっすぐに正しい位置にある証。ぜひ一度、これを基準に枕選びをしてみてください!
- 星のやすらぎ 療法士ピロー ゼロ フィーリング
- 頭部への圧迫感がまさにゼロフィーリング!
どんな寝姿勢の方にもおすすめです。
■その他
頭に使う枕だけでなく、体や足専用の「第2の枕」もおすすめです。お悩みや目的に応じて選びましょう。
- 横寝や腰が気になる方におすすめ
- 横を向いて眠るとき上側の足は重力で下に下がってしまいます。その足に引っ張られることで、腰には負荷がかかってしまい痛みのもとに。体専用枕は、横寝する際に股の間に挟むことで腰への負担を軽減することができるのです。
- 冷えやむくみが気になる方におすすめ
- 特に女性に多い冷えやむくみのお悩み。マッサージなどでほぐして循環機能を高めることももちろん大切ですが、物理的に足を持ち上げることで巡りの促進をサポートすることができます。
- 星のやすらぎ 療法士ボディピロー
- 理想的な寝姿勢に導き、睡眠時の「巡り」をサポート!
このボディピローをストレッチポールのように使った、
就寝前のストレッチもおすすめです。
- 星のやすらぎ 療法士フットピロー
- 脚に悩みを抱える方に大好評。
ふくらはぎ部分に配置されたシリコーン球が心地いいですよ!
環境も大切!寝室の空間づくり
■壁紙や寝具の色
睡眠環境の中で“色”は重要なポイント。眠りにつきやすい色と、そうでない色があると言われています。
私がオススメする色は、リラックス効果が期待できるとされているブルー、グリーン、オレンジ、ベージュです。
一般的に黒やグレーといった色は不安や恐怖を与えると言われているので、できるだけ避けた方が無難です。
寝室の壁紙やカーテン、寝装具やパジャマを選ぶ際には参考にしてくださいね。
■灯り
睡眠中、灯りをつけておくか真っ暗にするか、心地よい眠りのためにどちらがよいかは、専門家の間でも意見の分かれるところです。
一般的な照明にはオレンジ色の小さな灯りに切り替える機能がついていますよね。あの灯りを、“常夜灯”といいます。海外では主に調光で照度変えることが多いので、常夜灯は日本特有のものと言えるでしょう。
日本では照明に蛍光灯が使われることが多く、就寝前まで白い光を浴び続けると目は冴えた状態になっています。
そこで、眠る前に常夜灯に切り替え寝室全体をオレンジ色の空間にすることで、リラックスした状態で入眠に導きましょう、というのが「つけたまま派」の意見です。
ご自身がどちらの方が深く眠れてスッキリ目覚められるか、一度確認してみてくださいね。
■カーテン
人の体内時計は1日を24時間ではなく、少し多めにカウントしていることをご存知ですか?個人差はありますが、人によっては25時間とカウントしていることも!そのままでは、1日1時間ずつズレていき、12日後には朝晩が逆転してしまうところですが、そうならないのは実は朝の光にヒミツがあります。
朝日を浴びると人の体は「朝だ」と認識し、体内時計をリセットするようできているのです。そのため、眠る前は寝室のカーテンは少し隙間を開けておくことをおすすめしています。※厚生労働省e-ヘルスネットを基に当社作成
知れば納得!睡眠豆知識
■眠れない時は眠るな!?
「どうしても眠れない」というときは、もしかすると人間の体に備わる“防衛本能”が原因かもしれません。眠れなくなる時を振り返ると、自分にとって嫌なことが起きたときではありませんか?
睡眠には一日の出来事を時系列にまとめて、それを定着させる役割があります。良いことも悪いことも、眠ると記憶に定着するのです。嫌なことが起こった後に眠ると、当然そのことは記憶に残ります。防衛本能が働いてわざと眠らせないようにすることがあると、言われています。
眠れない時に無理に眠ろうとすると、焦りから余計に眠れなくなったり、浅い睡眠になってしまったりと、さらなるストレスにつながります。そんなときは思い切って「眠れない時は眠らない!」という選択も、1つの手ですね。
■適度な寝返りは大切!
人の体内は、多くを水分や血液などの液体が占めています。寝返りにはこれを循環させる働きがあります。
寝返りを打つことで体の同じ箇所が圧迫され続けることを防ぎ、血行を促します。また、左右非対称な体を対称に近づける働きもあります。筋肉が緩んだ睡眠中に寝返りすることで、日中に歪んだ体を正常な状態に戻します。そのためスムーズな寝返りを適度に打つことは、とても大切なのです。
子どもの寝返りは、大人とは少し異なる意味があります。子どもは体温が高く発汗量が多いため、汗をかいて不快になると、寝返りを打つことで布団の中の湿気を逃がしたり、自ら睡眠環境を整えています。また、より涼しいところを探して布団からはみ出るほど大きく寝返りを打つこともあります。
■よく眠れる姿勢って!?
最も理想的な寝姿勢は、“気を付け”をした状態で仰向けになることです。このまっすぐな姿勢は、背骨を支えるどの筋肉にも負担をかけることなく、しっかりと体を休ませることができます。
逆に横向きの寝姿勢では、筋肉が引っ張られて負担がかかってしまいます。体に不調がある場合、理想的な姿勢をとることが難しい方もいるかもしれません。
体と相談しながら、できる限り負担を減らせる姿勢を探ってくださいね。
腰が気になる方
腰が気になる人は、横寝をされる傾向があります。横寝は、足が圧迫され足や腰に負担がかかります。足に体専用枕(ボディピロー)などを挟んで眠ることで、腰への負担を抑えることができます。
肩のこりが気になる方
肩のこりが気になる人は、眠るときも肩を丸めてしまいがち。
そのため仰向けの姿勢では違和感があり、横寝になる傾向があります。横寝では、肩とマットレス(または布団)が点で接する状態になります。このとき肩は圧迫され大きく負担がかかってしまいます。横寝をする場合は、上半身を少し斜めにずらして、肩の接地面をできるだけ増やすことをオススメします。接地面が増えると、肩への負担が抑えられます。
膝が気になる方
膝が気になる人も、足をまっすぐ伸ばすと負担がかかるため、横寝の傾向があります。足専用枕(フットピロー)などを利用して、軽く膝を持ち上げた姿勢で眠ることをおすすめします。膝を軽く曲げた状態で、足全体を面で支えることができるので、膝への負担が軽減されます。
PROFILE
- ファイテン 安眠アドバイザー大河内 久義HISAYOSHI OKOCHI
- ファイテン(株)安眠プロジェクト所属
- 全国のファイテンショップやイベントなどで安眠セミナーを多数開催。
これまでに数多くの方の眠りの悩みに寄り添いアドバイスを行うなど、睡眠に対する啓蒙活動を精力的に行っている。